春
香
新しい命が芽吹く、
明るいデザイン
学校から帰ってくると、いつもの様におばあちゃんが縁側で座っている。冬には降り積もっていた雪もすっかりと溶けて、春の柔らかい日差しが差し込んでいる。
おばあちゃんは僕が帰ってきたことにまだ気が付いていない。少し大きな声で「ただいま」というと、「おかえり」といつもの優しい声が返ってきた。僕はおばあちゃんの横に座る。この時間が大好きだ。
夕日で少し赤くなった顔、まぶしそうなくしゃけた笑顔。そのひとつひとつが、今でも忘れられない大切な思い出だ。