冬
蔵
厳冬にも耐えうる
重厚なデザイン
「今年も終わるな。」
この時期の父の口癖だ。毎日のように聞いている。僕はこのセリフが嫌いだ。父は、きっとお年玉をあげるのが嫌だから、来年が来なければいいと思っているはずだ。でも僕は来年が来てくれないと困る。1月に欲しいゲームが発売するからだ。
そんなことを考えているうちに日が暮れて、気が付くと家族が全員集まっていた。今日の御飯はおでんのようだ。母が鍋を持って来て、おばあちゃんが机を拭いている。おじいちゃんはお酒を飲んでいる。
このまま時間が止まるといいのにな。
僕はふと窓の方に目をやった。縁側の外には白い雪が降り積もっている。